「鉤十字の夜」その③
小説家が
戦時下で筆を執るとき
何を思っていたのだろう。
「戦時下で小説を書くことは無意味に思われた」
と、
この世を去ってしまった偉大な女性作家もいたけれど、、、。
バーデキンが職業として
小説家だったかはわからないけれど、
作家活動に身を捧げていたことは
間違いなくて、、、。
その作家性。
というより
むしろ
作品の作家自身の純度の高さ。
そこに惹かれずにはいられない。
だからなのか、
バランス感覚に乏しく、
小説としての評価は芳しくないみたいだけど、、、。
実際の世界と
地続きの世界を描くことができる。
そんなスケールを持ち合わせる
稀有な作家だったのではないかな。
そのスケールを支える、真実の認識のシャープさ、的確さ。
そして、時限爆弾のように
また、タイムカプセルのように
未来へと込められたメッセージに
作者へのリスペクトが止まらない
彼女は、未来の戦争を阻止するために
この本を書いたのではないかな?
真実を知る者たちは
戦争を止めることは出来ないが
平和な未来を作ることが出来ると信じて。
そんなメッセージを
2022年の私は
1937年の彼女から
受け取った気がしました。
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