0秒の話
この話、結構好きな話なのだけど、、、
もう10年以上も前に聞いたお話。
この話をしてくれた彼はとても素敵な演劇人だった。
「オリンピックの100メートル走で、選手は何秒を目指してると思う?」
「0秒だ!」
「0秒を目指して、9秒以上かかってるんだ。これを遅いととるか、早いととるかは分からないが、僕達はその過程の9秒位の時間を、熱心に、手に汗握って観てる。」
スタートからゴールまでの過程をいかに演劇として魅せるか。
その時の彼の演出は、時間と空間を主軸とし
その様々な可能性を示してくれたように思った。
最近、彼の言葉を思い出す。
オリンピックのせいかな?
思えば
あのとき、彼とは色々な話をした。
とても博識な人で
色々なことを教わったな。
時間と空間の使い方は
彼から教わった。
それから、
理想というものの置き方や扱い方も。
一緒に飲んでいて楽しかった。
そして、可愛らしいことに
彼にも演劇界に頭の上がらない重鎮がいて、、、。
私は、その重鎮の舞台のファンだった。
その重鎮がたまたま稽古場のすぐ近くの劇場で公演してて、、、。
彼は、気が気じゃなかったんじやないかな(笑)?
彼は演出だけして、本番を迎える前に帰国してしまったけど、、、。
別れ際に物凄い肉厚で抱きしめ返してくれたこと、忘れてないよ。
そこから、ど頭のソロの3分やりきるエネルギーを貰ったのだもの。
あ、お互いに恋心は無いからね!
そこ、大事。
スポーツ選手の検討を称え合うハグみたいな。
このあとも頑張れよ的なハグだから!
また、会いたいと思いながら10年がたってしまったけど、、、。
きっと今も様々な模索の上に舞台に立ち続けて居るんだろうな。
「演劇の最先端に居るアーティストは、皆貧乏だ!」
なんて、
また、
くだを巻いて言ってくれるんだろうか?
うふふ。
いいな。
また、会いたいな。
0コメント