『熱源3』
熱源のメインキャラクターはロシア人で、
もっと言えばポーランド人の男性。
祖国を失い
母国語で話すことを禁じられ
ロシア帝政の支配下にありながら
ロシアの学生という身分で「人民の中へ」
と革命を志す。
彼の革命家としての熱は、革命が失敗に終わった後も
そのまま流刑地として流された樺太の民族に注がれる。
長い流刑地での生活に、生ける屍とかしていた彼に
生きる熱を思いがけず与えたのは、樺太の民族だった。
彼がどうして、樺太の民族に惹かれたのか、
彼がどうして、樺太の民族のために尽力するのか、
彼の人となりの背景がわかると、しっくりくる。
彼のロシアでの学生時代を知らなければ、ただの偽善者として、物語の中の彼を捉えてしまっていたかもしれない。
このキャラクターは、芯があって、スジもとおっていて、そのくせ凄く人間臭い葛藤と、いくつもの決断がある。
とても魅力的。
キャラクターをいかに魅力的に魅せるか。
とても勉強になりました。
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